もっともっと あそびた~い! なんで べんきょうしないと いけないの?
テンビータのむすこ、テンビーロウは、今年、小学1年生になりました。キノリンのむすこのコキノリンと 大のなかよし。楽しい学校生活を おくっているようなのですが……。
「ねぇ、お父さん。小学校って朝から べんきょうばかりなんだね。もっと友だちと あそびたいなぁ」
少しだけ、ふまんも あるようです。
「お父さんも、むかし、同じことを思っていたから、きもちは よくわかりますぞよ。でもね、テンビーロウ。当たり前のように行っている学校だけど、せかいには 学校に行って べんきょうをしたくても、それができない子が、なんと2億6,000万人もいると言われているんですぞよ」
「えっ、そんなに!?」
子どもはみんな学校に行くものだ、そう思っていたテンビーロウはびっくり!
テンビータは、話をつづけます。
「せかいには、ひんこんや ふんそうのため、十分な数の学校が たてられない国が たくさんあるのです。学校があっても、通うお金がない、家のしごとを てつだわなければならない、ふんそうにまきこまれ 学校がお休みになっている、などのりゆうから、きょういくをうけられない子どもが たくさんいるんですぞよ」
「そうか、いろいろなりゆうが あるんだね……」
おどろくテンビーロウに、テンビータは、「学校に行けないと どういったことが もんだいになるか、わかりますか?」と、しつもんを なげかけます。
「うーーーん……」
首をかしげるテンビーロウ。
「ちょっと、かめじいのところへ行ってみましょうか」
ふたりは、なかよしのキノリン、コキノリンをさそって、みらいたうんのものしり先生、かめじいに、くわしい話を聞きに行くことにしました。
「かめじいのおうちはあいかわらず本がたくさんだなー!」
てんじょうまである 高い高い本だなを見て、こうふんしたようすの テンビーロウとコキノリン。そんなふたりに、かめじいは、やさしく語りかけます。
「2人とも、しょうらいのゆめはあるかの?」
「ぼくはパパみたいなかっこいいビジネスマン!」
「ぼくはお父さんみたいに、正しいことをつらぬくべんごし!」
「ふぉっふぉ。2人ともイキイキしておるの。でも考えてみてほしい。学校に行けずに べんきょうができないと、文字を読んだり書いたりすることもできないな。計算もできないし、生きるためにひつような ちしきも えられない。すると、大きくなったときに、きぼうするしごとに つけないかのうせいが 高くなってしまう。のぞまないしごとや、おきゅうりょうの ひくいしごとに つかなければならないことが 多くなってしまうんじゃ 」
かめじいの話を聞いて、はっとした ひょうじょうを見せる テンビーロウとコキノリン。
「なるほど……。べんきょうって、大人になったときのために大切なんだね」「べんきょうできるって、めぐまれたことなんだ」とたがいに目を見合わせます。
うしろで話を聞いていたテンビータとキノリンも、うんうんとうなずき合いうれしそう。
「これからも学べることに かんしゃして、しっかりべんきょうを するのですぞよ。そして、べんきょうができない子どもたちのために、できるはんいで、ぼきんや きふを していきましょう 」
「もちろん、あそびも大切です。あそびの中にも学びがあるはず。お友だちとも たっくさんあそんでくださいね!」
キノリンのことばを聞いて、「よかったあ!」と子どもたち。
「やっぱりあそびたいよね!」「べんきょうも あそびもがんばろう!」、そう言って、楽しそうに わらい合うのでした。